
こんにちは!よつば歯科クリニック院長の稲辺です。
まだまだ寒い日が続いていますね。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
今日は、当院でよく行っている「奥歯の白い詰め物の治療」について書いてみます。
治療の説明をしていると、
「そんな治し方があるんですね」
「被せ物じゃなくていいんですか?」
と言われることが意外と多いので、ブログでも紹介してみることにしました。
たぶんですが、奥歯の治療って患者様からすると一番イメージしにくいですよね。
見えないし、専門用語も多いし、気づいたら終わってることも多い場所なので、
「何をされたかよく分からない」という声もよく聞きます。
その中で今回は「ダイレクトボンディング」という治療法についてご紹介いたします!
そもそも奥歯って、どうやって治すの?
奥歯に虫歯ができたとき、多くの方がイメージするのは
・銀歯や銀の詰め物になる
・プラスチックの詰め物を詰める
・セラミックは高い
・被せ物、クラウン
・型取りして、次回セット
こんな感じだと思います。
でも実は、そこまで大きい虫歯じゃない場合や歯がまだしっかり残っている場合は、
型取りしたり、被せ物や銀歯にしなくても治せる奥歯も結構あります!
当院では、そういうときに
奥歯の白い詰め物を、型取り不要でその場で詰めて形まで作る治療をよく行っています。
その治療、
歯科では「ダイレクトボンディング」と呼ばれています
ここで初めて「ダイレクトボンディング」という言葉が出てきます!
そもそも「ダイレクトボンディング」というワードを聞いたことがある人いますか??
簡単にいうと「保険治療の樹脂の詰め物の自費治療バージョン」です!
つまりすごーーーーく丁寧に樹脂を詰める治療です!簡単すぎましたね笑
「そんな大して保険治療のものと変わらないんでしょ?」
と思ったそこのあなた!!!
全然違いますから!!!
このブログ記事を読んでびっくりしてください!
当院でよくやっているのが「白い詰め物で直接治す方法」
当院では、奥歯の虫歯や古い詰め物のやり替えに、
白い詰め物をその場で詰めて、形まで作る治療をよく行っています。
この治療を、歯科では「ダイレクトボンディング」と呼んでいます。
…といっても、この言葉を知っている方はほとんどいません(笑)
なので今日は、
「奥歯の白い詰め物を、時間をかけて丁寧に作る治療」くらいの感覚で読んでください。
使っている材料は「CR」という白い材料です
奥歯の白い詰め物に使うのは、CR(コンポジットレジン)という材料です。
これは、保険の白い詰め物にも使われている材料なので、
まったく初めて見るものでもありません。
ここでよく聞かれるのが、
「それって、保険の白い詰め物と同じですか?」
という質問です。
答えは、材料の「名前」は同じ。
でも、「品質」と「治療プロセス」が違います。
ここがちょこっとわかりにくいところなのでもう少しだけ
詳しく説明していきますね。
保険の白い詰め物ってどんな治療?
まず、保険の白い詰め物についてです。
保険の治療では、
・虫歯を取る
・穴を塞ぐ
・噛めるようにする
という基本の治療が目的になります。
そのため、
・治療時間は短め
・接着力弱い
・形は単純
・色は合いにくい
・必要最低限の仕上がり
・噛み合わせもイマイチ
ということが多いです。
これは決して悪いことではなく、保険治療でできる精一杯の治療です。
当院で行っている奥歯のダイレクトボンディング
一方、当院でよく行っている奥歯のダイレクトボンディングは、
もう少し先のことまで考えて作ります。
1.マイクロスコープの使用で削る量は最小限

歯科用マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)は歯を大きく拡大してみながら治療できる機器です!
肉眼では見えにくい虫歯や歯の境目までしっかり確認できるため、必要な部分だけを最小限に削る治療が可能になります。
必要最小限の切削で適切な修復形態を作りやすくなり、歯質保存につながります。
さらにマイクロスコープ使用時は術者の筋負荷が減少し、よりコントロールされた繊細な操作が可能になるため、過剰切削のリスクも低減し、術者にとっても患者様にとってもいいものになるということです!
どうして歯を削る量は少ない方がいいか、それは至ってシンプルです。
歯の強度が低下してチッピングを起こしたり、割れてしまいやすくなるからです。
詰め物の寿命が来た際に、
歯がたくさん残っていると、再治療の選択肢の幅広くなるという大きなメリットもあります!
歯の量はたくさん残っていて損なしです!!
2. ラバーダム使用で接着力を最大まで引き出す

歯科治療のとき、歯にゴムのシートがかけられた経験はありませんか?
それが「ラバーダム」と呼ばれるものです。
ラバーダムは治療する歯をお口の中から隔離し、
唾液や水分が入らないように守るためのゴム製のシートです。
ノンラテックスのシートもありますのでラテックスアレルギーの人はお申し付けください。
実はこのラバーダム、治療の質を大きく左右する役割を持っています!
特にCR(コンポジットレジン)の治療では、歯と材料をしっかりと接着させることがとても重要です。
ところが唾液や、呼気による湿気、治療中に使う水、これらが少しでも接着面に入ってしまうと、
接着力が弱くなり、詰め物が外れやすくなることがわかっています。
ラバーダムはこうした水分を完全にシャットアウトし、
「理想的な環境で接着操作を行うための保護膜」なのです!
近年の臨床研究では、ラバーダムを使用した場合としなかった場合で比較したところ、
どの接着システムでもラバーダム使用時の方が接着力が有意に高いという結果が報告されています。
さらに世界的に信頼性の高い研究では、
治療後6ヶ月時点で、ラバーダムを使用した方が詰め物が残っている確率が高いという結果も出ています!
自費治療のダイレクトボンディングでは保険治療と違ってラバーダムを使用して治療するため、
・詰め物が外れにくい
・治療後のトラブル(しみる、再治療)のリスクが低下
・より精密で丁寧な治療が可能
・治療中、器具や薬剤が喉に落ちにくく安全
つまり「今だけでなく、将来も安心できる治療」につながるということです!
少しの手間が歯を長持ちさせます。
ラバーダムは、装着に少し時間がかかることもあり、すべての歯科医院で常に使用されているわけではありません。
当院では自費治療のダイレクトボンディングにおいて、当然ラバーダムを使用し、
「その場しのぎではない、長持ちする治療」を大切に考えております。
3. 溝や丸みをしっかり作り、解剖学的に美しい形態の付与

人類の進化には必ず意味があります。歯を一つとっても当然意味があります。
前歯と奥歯が同じ形をしていないのはそういうことです。
前歯は食べ物を噛み切るための歯です。だからシャープな形をしています。
奥歯は食べ物をすりつぶすための歯です。ご飯やお肉をしっかりと粉砕するため丈夫でゴツっとした形になっています。
食べ物の流れが良くなるためにたくさんの溝や膨らみがあります。
つまり奥歯の詰め物は単純な形で詰めては機能が低下してしまうということになります。
時間をかけて解剖学的形態に忠実に詰めていく意味はそこにあります!
4. 歯と詰め物のギャップやバリを作らず汚れがたまりにくい形にする
これは言わずもがな、歯と詰め物の間に隙間があったり、段差があったら食べ物が引っかかったり磨きにくかったりして虫歯のリスクを高めてしまいますよね。
5. 噛み合わせを細かくチェック
形が良くても、対合の歯と噛み合っていないんじゃ意味がありませんよね。
もしくは高く詰めてあるままだと他の歯のあたりが弱くて噛みにくくなってしまいます😢
噛み合わせも丁寧に調整することで詰め物も長持ちします✨
「奥歯ってこんなに形を作るんだ…」と思うくらい、集中して作っています。
奥歯は噛む・すりつぶすという大事な役割があるので、形がとても重要なんです!
なぜ奥歯は、そんなに大事なの?
奥歯は、お口の中で一番力がかかる場所です。
ごはんを噛むとき、無意識に一番使っているのは奥歯です。
なので、なるべく歯を削らない
でも、ちゃんと噛める
長く使える形にする
このバランスがとても大切になります。
被せ物や銀の詰め物にすると、どうしても歯を大きく削る必要がありますが、
ダイレクトボンディングなら削る量をかなり抑えられることができます。
どんなケースで選ばれることが多い?
当院では、こんなときに選ばれることが多いです。
・虫歯がそこまで大きくない
・昔の詰め物が劣化してきた
・被せ物にするほどではない
・できるだけ歯を残したい
逆に、虫歯がかなり大きい場合や、歯が割れそうな場合は、
被せ物をおすすめすることもあります。
いいところばかりじゃない?注意点もあります
この治療、良いところも多いですが、万能ではありません。
・強い力がかかると欠けることがある
・歯ぎしりが強い方は向かない場合がある
・すべての奥歯にできるわけではない
なので、必ずお口の状態を見てから判断しています。
「できる・できない」は実際診てみないとわからないことも多いです。
ただダイレクトボンディングは、
多少欠けたとしても、欠けたところだけ修復することができる大きいメリットがあります!
銀の詰め物や被せ物は一度すべての修復物を除去しなければいけないため、歯への負担も大きいです。
「銀歯・被せ物・白い詰め物」で迷っている方へ
治療の説明をしていると、
「結局、どれが一番いいんですか?」と聞かれることがあります。
正直に言うと、一番いい治療は、人によって違います。
当院では、
・いきなり自費をすすめる
・無理に治療を決める
ということはしていません。
今の歯の状態を見て、できるだけ負担の少ない方法を一緒に考えるようにしています。
最後に
奥歯の治療って、見えない分、「よく分からないまま終わる」ことが多いと思います。
でも実は、歯をできるだけ残すための選択肢がいくつもあります。
今回書いた奥歯のダイレクトボンディングも、そのひとつです。
「自分の奥歯でもできるのかな?」
「保険とどう違うの?」
そんな疑問があれば、診療中でも、受付でも、気軽に聞いてくださいね😊
症例(患者様から掲載の許可を得ています。)

左上の奥歯の銀歯を白くしたいことを主訴に来院されました。
一見何もないように見えますが、、、

歯と銀の詰め物の間には黒い汚れが入ってきています。
この方の場合は銀の詰め物にしてから1年ほどしか経っていないとのことでしたが、
これがあと5年放置されていたらと考えると恐ろしいですね。
修復物の適合はこういうところに如実に現れてきます。

綺麗に汚れと虫歯をとった後に、ラバーダムを装着した様子です。
歯が完全にお口の中で隔離されているのがわかりますね!

ダイレクトボンディングで充填した後になります。
段差もなく綺麗に詰まっていますね!✨

Before

After

ダイレクトボンディングの料金・時間
・小臼歯:55000円・90分
・大臼歯:66000円・120分





























