嘔吐反射について

皆さんの中で、歯の治療中、気持ち悪くなった事はありませんか?

「ピンポン球でも5分間、口に入れてると慣れる!?」という都市伝説がありましたが、口の中に物を入れて慣らす=脱感作トレーニング)は、歯科の嘔吐反射対策として、以下のようなものが考えられます。

 

① 最も古典的な論文

Ramsay DS. Problematic gagging: principles of treatment (1987)

この論文では、嘔吐反射の患者さんに対して

「徐々に刺激を強くする訓練」

が有効とされています。

具体例として

  • 患者に棒付きキャンディを口に入れさせる
  • 最初は前歯付近
  • 徐々に奥へ
  • 1日数分ずつ

という訓練が紹介されています。

 

② 最新の臨床報告

Kojima program(2024)

重度の嘔吐反射患者に対して

  • 口腔内を綿棒で触れる訓練
  • 徐々に刺激を強くする
  • CBT(認知行動療法)と併用

という方法が報告されています。

結果

  • 数回のトレーニングで改善
  • 歯科治療が可能になった

とされています。

 

③ 系統レビュー(2025)

心理的アプローチの研究では

  • 系統的脱感作
  • リラクゼーション

を使った研究が分析され、

87.5%の患者で嘔吐反射が消失

と報告されています。

 

④ トレーニングの典型的な手順(論文ベース)

多くの研究で共通する方法

STEP1

舌の前方に刺激(歯ブラシ・綿棒)

STEP2

舌中央

STEP3

舌根付近

STEP4

咽頭近く

このように刺激を少しずつ奥へ移動して慣らします。

これはhabituation(慣れ)によって
反射が弱くなると考えられています。

 

⑤ 歯科でよく使われるトレーニング例

論文・レビューでよく紹介される方法

  • 歯ブラシで舌後方を触る
  • スプーンを口に入れて慣れる
  • マウスガードを装着
  • 舌突出トレーニング
  • 呼吸トレーニング

これらは段階的刺激による脱感作です。

 

歯科の研究で、短時間で反射を抑えるテクニックの代表的なものを紹介します。

1.舌を前に出す方法(Tongue protrusion technique)

歯科の臨床でよく知られている方法です。

方法

  • 舌を前に大きく突き出す
  • その状態で診察や印象採得を行う

理由

  • 舌を前に出すと
    • 舌根が前方に引っ張られる
    • 咽頭への刺激が減る
  • そのため嘔吐反射が起きにくくなると考えられています。

実際に歯科文献でもgag reflex control techniqueとして紹介されています。

2.鼻呼吸に集中する

方法

  • 口を開けたまま
  • 鼻からゆっくり呼吸

効果

  • 咽頭筋の緊張を減らす
  • 不安を減らす

歯科のガイドラインでも最も基本的な対処法とされています。

3.塩を舌に置く方法(Salt on tongue technique)

これは比較的有名な研究があります。

方法

  • 印象採得などの前に
  • 舌の先に少量の食塩を置く

理由(仮説)

  • 味覚刺激が脳神経を優先的に刺激
  • 嘔吐反射が抑制される可能性

いくつかの臨床研究で嘔吐反射が減少したと報告されています。

4.足を上げる方法(Leg lift distraction)

方法

  • 印象採得時などに片足を持ち上げてもらう。足の指をグーパーし続けてもらう。

理由

  • 注意が足の筋肉に集中
  • 注意が分散されて嘔吐反射が起きにくい

まとめ

もちろん、口腔内スキャナーの方が、嘔吐反射が起こりにくいです。当院のiTeroは最新式で、口の中に入れる部分が小さくなっているため、違和感も少ないです。ワンドのサイズが従来の1/2となり45%軽量化されてます!

嘔吐反射があって、歯科治療が困難な方でも、色々な方法で解決できますので、ぜひ、新小岩よつば歯科にご相談下さい。

 

理事長

大平 晃